「あ、それから、神様のことは責めたりしないでね。わたしが神様と約束してたの。それを、わたしが守れなかっただけだから」 「ねぇ、待って! っ、行くなよ!」 ふるえる手で、音無さんの体を抱きしめる。 だけど、もうその体温すら、感じることはできない。 「浅羽くん。わたしね、浅羽くんのことが――」 “だいすき” その言葉を最後に、音無さんの気配は、完全に消えてしまった。