愛しいあなたに紅い花を




「そっか〜〜残念…。あ、でもあっちんだけ参加も全然ありだからね!!…ね、全然話変わるんだけどさ、あっちんは帝花って知ってる?」





美柚のその言葉に、一瞬時が止まった。





帝花って、あの?





美柚は何か知っているのだろうか。





それともただの好奇心?





「ちょっと美柚、大丈夫なの?」





梨佳が美柚にそう聞くと、美柚はきょとんとした顔で、なんで?と返す。





大丈夫なのか、というのはどう意味?





もしかして関係者?





淡い期待を抱きながら、美柚の顔を見る。





『…帝花って、確か暴走族だっけ…?名前は聞いたことあるけど…』





梨佳と目配せしたあと、美柚はまた私を見た。





「…あっちんにね、紹介したい人たちがいるの。その、もっと仲良くなる前に会ってもらいたくって。今日の午後とか空いてる?」





『うん、わかった。今日空いてるよ。』





美柚の言う紹介したい人たち、というのが帝花であればいいのにと願わずに居られない。





1年しかないから、出会うのは早ければ早い方がいい。





すぐにでも紹介して欲しい気持ちを隠して、美柚と梨佳との雑談を再開した。