「.......G組、か」
繰り返し読んだお姉ちゃんの日記には「帝花の幹部はA組に集められる」と書いてあった。
だからこそA組になることが一番の近道だったけれど、そんな上手くはいかないらしい。
もっとも、A組から1番離れたクラスになっているから、校長先生がわざとG組にした可能性も否めない。
まあ私が教師だったとしても、絶対にA組には入れないだろう。
クラスまで向かいながら、彼らに近づく次の作戦考える。
とはいえ、いくつかはあの日から考えてきた。
まず1つ目は、同じクラスになってクラスメイトとして仲良くなること────だったけど、これはたった今なくなった。
2つ目は、彼らがよくいる中庭で“偶然”出会うこと。
そしてその時には、歓声を上げたり怖がったりしないこと。
彼らはイケメン集団としても有名だから、彼らを見た時の女子たちの反応は、歓声を上げて喜ぶか、暴走族ということに怯えるかの2択。
そんな中自分ちにさほど興味のない女子が現れれば、少なからず印象には残るはず。
3つ目は、彼らが見回りをしている繁華街で出会うこと。
繁華街は治安があまり良くないから出来れば行きたくないけど、彼らと出会うためなら仕方がない。
実際、お姉ちゃんは繁華街で絡まれているところを助けられたのが彼らとの出会いだった。
お姉ちゃんと違って私は可愛くないから絡まれる自信はないけれど、一応彼らと出会う方法のうちの1つ。
あとは帝花の下っ端とまずは仲良くなってから、というのも考えたが、それだと時間がかかりすぎる。
タイムリミットは1年─────いや、ほぼ半年。
帝花総長綾藤玲雅が卒業するまで。
綾藤の卒業までに、どうにか帝花に取り入ってこの復讐を完遂させる必要がある。
いつの間にかもうクラスは目の前だった。
ここからは今までの私とは違う。
切り替えろ。
お姉ちゃんのような、可愛らしい少女になれ。
─────私を、捨てろ。


