それが崩れ去っていく前の記憶。思い出は、いつでも俺の中にはある。 『忘れたとか言ったら、絶対許さないんだから!』 忘れるもんか。 ……絶対、忘れてやるもんか。 「……ーーー。ひなた」 俺だけは、絶対に間違わない。 「父さん。……少し、いいですか」 だって俺は、…………兄ちゃんなんだから。