野次馬の真ん中には、朝子が倒れていた。 芝生まで、1mもない。 あともう少しだけ左に落ちていたら助かったかもしれない。 しかし、無情にも、朝子が落ちたのは硬い硬いコンクリートの上だった。 看護士達は朝子をストレッチャーに乗せ、病院内へと入っていった。 『無理だよ…。』 この病院は、9階まであった。 もしも9階の高さから落ちたのならば、そんな高い所から落ちて、生きていられるはずがない。 そのくらいは咲子にだって分かっていた。