「ごめ…。 もうちょっとだけ…。」 俺が言うと、沙良はコクリと頷いて、沙良の体に巻き付く俺の腕を軽く握った。 もしも兄貴に沙良を返せと言われたら、俺はどうするのだろう。 もしも兄貴に泣かれたら、俺も泣いてしまうかもしれない。 もしも兄貴に死なれたら、俺に生きる資格はあるのだろうか。 そんなことを、ぐるぐるぐるぐる考えていた。 沙良のシャンプーの匂いを鼻先に感じながら…。