うしろの正面だーあれ




ブィー・・ブィー・・



再び振動を感じた憂は、ポケットから携帯を取り出した。



片手で携帯を開くと、またメールが1通届いていた。



そのメールの送り主は、やはり沙良であった。



背を向けたまま、ジロリと横目で睨んだ憂は、不服ながらもメールを開く。






“好きだよ”





その言葉に、思わず上体を起こして沙良を見る憂。



すると、沙良は再び目線を下に落とし、カチカチと打ち始めた。



沙良の手が止まって少しすると、今度は憂の携帯に振動が伝わった。



一度 沙良を見て、携帯を開く。






“分かってる、一喜くんのこと。
あたしが伝えたかっただけ。”






憂は、もう一度 沙良を見た。



沙良の瞳は切なげに何かを訴える。



涙に濡れた艶めかしい瞳は、憂の心を大きく揺さぶった。