うしろの正面だーあれ




『す…みれちゃ…』



咲子の目に映るのは



へこんだボンネット



割れたガラス



ヒビの入ったフロントガラスには



真っ赤な血。



横たわる親友の姿。



流れ出る、たくさんの血。



咲子は、その場に呆然と立ち尽くした。






思考回路が停止する。



何も考えられない。



目の前で起こったことも



理解出来ない。



ただ、目の前の景色が



めまぐるしく変わっていくだけ。



誰かが救急車を呼び



けたたましいサイレンを鳴らした救急車が来る。



その救急車がすみれをさらっていって



警察官が目撃者に話を聞く。



すみれと衝突した車の運転手と話して



何処かへ連れて行く。






誰かが真っ赤な血を



バケツ一杯の水で流した。



…親友の血を。