ガラッ
突然 保健室の扉が開いて、隆史が顔を覗かせた。
「言い忘れてたけど、もうすぐ保健室の先生 帰ってくんぞ。その前に出とけよ。」
「…おう。」
「じゃあな。」
そう言って、隆史は くるりと反転した。
「…なぁ!」
憂が呼び止める。
「…ん?」
「…それ、何?」
そう言って、憂は指差した。
隆史のお尻のポケットに突っ込まれた、先程 彼が熱心に書いていた紙切れを。
「…あぁ、これ?」
そう言って、隆史は少し考えた後、おどけた風に言った。
「…遺書?」
その一言を発した後、間発入れずに扉を閉めた。
「…は?」
無人の保健室に、憂ひとりの声だけが虚しく響いた。


