「なぁ、マジで。後悔すんぞ。」
先程までとは うってかわって、真剣な顔付きで隆史は言った。
その真剣さを感じ取った憂は、一度 隆史から視線を外し、空(クウ)を見た。
「後悔なんて…もう してる。」
その言葉に隆史はシャーペンを置き、憂の方を見た。
「沙良のさぁ、彼氏。
俺の兄貴なんだよネ。」
「…だからって闘おうともしねぇのかよ。」
「…簡単に言うな!
兄貴はっ…壊れてんだよ…。」
「壊れ…?」
「その上 沙良を失ったらどうなるか…。」
「だけど、お前にはもう時間が…」
「え?」
ギクリとする隆史。
「…いや、人間なんて、いつ死ぬか分かんねぇんだから、悔いのないように行動しろってことだよ。」
「………………。」
「…じゃあな、そろそろ行くわ。」
そう言って、隆史は保健室を出た。
今度はちゃんと扉から。


