怖かったが、勇気を出して声を掛けてみた。
『亀井君!』
すぐに彼は反応した。
怪訝な顔をしている。
『僕が見えるの…?』
『うん…。』
『ねぇ、僕、死んじゃったの?』
咲子は言葉を詰まらせた。
まさか自分達が殺したとは言えない。
『う…うん。
事故に遭ったの覚えてない?』
『事故?』
“事故”という言葉に
疑問を持つ義孝。
咲子は嘘がバレたと思い、冷や汗が流れた。
『何の事故?
詳しく教えて。』
バレ…てない。
バレてないんだ。
そう思うと、咲子は
口から でまかせを早口で喋った。
『…そうなんだ。
“かごめかごめ”の最中に足を滑らせたんだ…。』
『た…助けようとしたんだけど…。』
『うん、ありがとう。』
咲子は、自分があまりにも簡単に嘘をついたことに驚いた。
自己防衛のためなら、人が傷付くことを平気でするのか…。
人間の本性を見た瞬間。


