それから、あたしは憂が追ってきてくれることを少しだけ期待して…いや、嘘。 かなりの期待を胸に寄せて、全神経を背中に集中させた。 走るペースを だんだん緩めて、憂が追い付けるように調整もした。 …なのに 今 思えば当たり前だけど、憂は来なかった。 だけど そのときは、自分は悲劇のヒロインだから、憂が悪いんだって思った。 全部 憂のせいにした。 あのとき一番傷付いていたのは憂なのに。