うしろの正面だーあれ




咲子の心境は複雑だった。






また誰かがいなくなる…



また誰かを殺すの…?



命を奪って何になるの…






翌日――



『隆史、誰にするの?』



朝子が言った。



『そりゃあ亀井だろ。』



『じゃあ今日ね。』



『裏山だろ?分かったよ。』






何も言えない。



言ったら次は私かもしれない…



そんな恐怖が咲子を支配する。



結局また何も言えないまま



時間だけが過ぎていった――…