うしろの正面だーあれ




自分の足につまずいて、咲子は落ち葉の上に倒れてしまった。



急いで立ち上がろうとするが、足が震えて上手く立てない。






あれだけ逃げたんだ…



さすがにここまでは追って来ないだろう。



そう自分に言い聞かせて後ろを振り返る。






そこには黙ったままの美津が立っていた――…






『イヤ―――!!!!』






「…子!!咲子!!」



「!?」



「朝よ、起きなさい!」



「ゆ…め…」



「うなされてたわよ?
怖い夢でも見たの?」



「うん…ちょっと…」



友達を殺したなどと



とても親に言えることではない。






私が人殺しなんて知ったら



お父さん、悲しむかなぁ…



お母さん、泣いちゃうかなぁ…



健太、私のせいでいじめられるかもしれない…。



やっぱり言えないよ…