『ねぇ、他の子に聞いてみようよ。』
『やめときなよ!
変に思われるよ!』
すみれの制止も聞かず、朝子は適当な人物に話し掛けた。
『ねぇ、志津ちゃん。
鶴田さんの席って誰か座ってる?』
『え?誰も座ってないよ。
どうして?』
『そっか。私、最近 目が悪くて見えにくいんだ。ありがとう。』
『なぁんだ!変なこと言うから、みっちゃんの幽霊でも見えてるのかと思っちゃった!』
『はは…
幽霊…ね…。』
やはり見えるのは、美津を殺した5人の少女達だけのようだ。
…悪い夢かもしれない。
あんなことがあったから、疲れて幻覚を見ているのかもしれない、
そう思った少女達は足早に帰宅することにした。
帰り道、咲子が吐いた溜め息は 青い空に溶けて消えた。


