――――深夜。 ここはどこの部屋なのか。 真っ暗の部屋の中、机の上の光だけが当たりを照らす。 そこにいる黒い物陰がまた、手だけを動かして何かを読んでいる。 ペラ……ペラ……。 『…………(クスクス)』 静かな笑い声が聞こえたと思ったら、すーっと消えて無くなる……。 読み終えたらまた、机の引き出しにそれをしまった。 今日も影は何事もなかったかのように、静かに眠りについた。 愉しそうに、口元に弧を描きながら。