電車に揺られること約一時間。私たちは最初のデートスポットに到着した。
「わあ! いちご農園だ!」
ビニールハウスでは、真っ赤ないちごが生っている。どれも大粒でつやつや。まるで宝石みたい!
目を輝かせながら観察していると、椎南さんがハウス内を見渡しながら説明する。
「いちごはビタミンCの王様と言われているんだ。十粒食べれば1日分のビタミンCがとれる。ここではいちごが食べ放題だから、たっぷりビタミンCを摂取してくれ」
いちご十個だったら余裕で食べられそう。いちごは大好きだもん!
「ビタミンC、たくさんとりますね!」
「ああ、頼んだぞ」
この間は、ピーマンが嫌いと言ってしまったせいで椎南さんを傷つけてしまった。だから今日は、たっぷりビタミンCをとって罪滅ぼしをするんだ!
どれを摘もうか迷っていると、椎南さんに手招きされる。
「この辺りは食べごろだぞ。摘み方も教えてやるからおいで」
「はい!」
椎南さん、頼りになる~! 私は軽い足取りで、椎南さんの隣に移動した。
「まずはいちごを優しく掴んで。……そうそう。下向きにくるっとひねって」
教わった通りにやってみると、プチッと茎からいちごが離れた。
「取れました!」
「上手い、上手い! まずは練乳を付けずにそのまま食べてくれ」
「はい!」
ヘタを取ってから齧りつくと、甘い汁がジュワーッと口の中に広がっていく。
「甘くて美味しい!」
摘みたてのいちごって、こんなに美味しいんだ! これが食べ放題だなんて天国だよ!
頬を押さえながら幸せに浸っていると、椎南さんが嬉しそうに目を細める。
「そういってもらえると嬉しいよ。ビタミンCは、皮膚の健康維持や免疫力を高めるためにも欠かせない成分なんだ。美肌を保つためにも、ビタミンCは欠かせないんだぞ」
それは良いことを聞いた。肌がキレイな人って素敵だもん。詩織先生も、つるつるのキレイな肌なんだよね。
「毎日ビタミンCをとれば、詩織先生みたいにキレイなオトナになれるかな~」
うっかり心の声が漏れてしまった。ハッとしながら隣を見ると、椎南さんが目を細めながら頷いていた。
「なれるなれる。だから俺のことも嫌いにならないでくれよ」
そこで前回の失言を思い出す。椎南さん、気にしているみたいだし、もう一度謝った方がいいよね。
「この間は、嫌いなんて言ってしまってごめんなさい」
おずおずと頭を下げると、椎南さんは両手を振りながら笑顔を浮かべる。
「いいって、いいって。誰にでも好き嫌いはあるからな。無理やり食べさせようとしたら楽しい食事が台無しだ。まずは美味しく食べられるものから、必要な栄養素をとっていこうな」
椎南さん、もしかして私がピーマンが苦手って言ったから、いちごでビタミンCを補おうとしてくれたのかな? 私と仲良くなれる方法を一生懸命考えてくれたのだとしたら嬉しい。
「私、もっと椎南さんと仲良くなりたいです! まずは食べられる野菜や果物からビタミンCをとっていきますね」
そう約束すると、椎南さんはぽんっと私の頭に手を乗せた。
「育ちゃんはいい子だな。天音たちが夢中になる気持ちも分かるよ」
頭を撫でられたのなんて久しぶりだ。普段だったら恥ずかしくなっちゃいそうだけど、椎南さんが相手だとホッとする。
「育ちゃんのことは俺がサポートするよ」
そう約束する椎南さんは、優しい眼差しをしていた。
「わあ! いちご農園だ!」
ビニールハウスでは、真っ赤ないちごが生っている。どれも大粒でつやつや。まるで宝石みたい!
目を輝かせながら観察していると、椎南さんがハウス内を見渡しながら説明する。
「いちごはビタミンCの王様と言われているんだ。十粒食べれば1日分のビタミンCがとれる。ここではいちごが食べ放題だから、たっぷりビタミンCを摂取してくれ」
いちご十個だったら余裕で食べられそう。いちごは大好きだもん!
「ビタミンC、たくさんとりますね!」
「ああ、頼んだぞ」
この間は、ピーマンが嫌いと言ってしまったせいで椎南さんを傷つけてしまった。だから今日は、たっぷりビタミンCをとって罪滅ぼしをするんだ!
どれを摘もうか迷っていると、椎南さんに手招きされる。
「この辺りは食べごろだぞ。摘み方も教えてやるからおいで」
「はい!」
椎南さん、頼りになる~! 私は軽い足取りで、椎南さんの隣に移動した。
「まずはいちごを優しく掴んで。……そうそう。下向きにくるっとひねって」
教わった通りにやってみると、プチッと茎からいちごが離れた。
「取れました!」
「上手い、上手い! まずは練乳を付けずにそのまま食べてくれ」
「はい!」
ヘタを取ってから齧りつくと、甘い汁がジュワーッと口の中に広がっていく。
「甘くて美味しい!」
摘みたてのいちごって、こんなに美味しいんだ! これが食べ放題だなんて天国だよ!
頬を押さえながら幸せに浸っていると、椎南さんが嬉しそうに目を細める。
「そういってもらえると嬉しいよ。ビタミンCは、皮膚の健康維持や免疫力を高めるためにも欠かせない成分なんだ。美肌を保つためにも、ビタミンCは欠かせないんだぞ」
それは良いことを聞いた。肌がキレイな人って素敵だもん。詩織先生も、つるつるのキレイな肌なんだよね。
「毎日ビタミンCをとれば、詩織先生みたいにキレイなオトナになれるかな~」
うっかり心の声が漏れてしまった。ハッとしながら隣を見ると、椎南さんが目を細めながら頷いていた。
「なれるなれる。だから俺のことも嫌いにならないでくれよ」
そこで前回の失言を思い出す。椎南さん、気にしているみたいだし、もう一度謝った方がいいよね。
「この間は、嫌いなんて言ってしまってごめんなさい」
おずおずと頭を下げると、椎南さんは両手を振りながら笑顔を浮かべる。
「いいって、いいって。誰にでも好き嫌いはあるからな。無理やり食べさせようとしたら楽しい食事が台無しだ。まずは美味しく食べられるものから、必要な栄養素をとっていこうな」
椎南さん、もしかして私がピーマンが苦手って言ったから、いちごでビタミンCを補おうとしてくれたのかな? 私と仲良くなれる方法を一生懸命考えてくれたのだとしたら嬉しい。
「私、もっと椎南さんと仲良くなりたいです! まずは食べられる野菜や果物からビタミンCをとっていきますね」
そう約束すると、椎南さんはぽんっと私の頭に手を乗せた。
「育ちゃんはいい子だな。天音たちが夢中になる気持ちも分かるよ」
頭を撫でられたのなんて久しぶりだ。普段だったら恥ずかしくなっちゃいそうだけど、椎南さんが相手だとホッとする。
「育ちゃんのことは俺がサポートするよ」
そう約束する椎南さんは、優しい眼差しをしていた。
