若頭は拾い猫を甘やかしたい。

そんな笑わなくても…。


「ただ単に都と話す時間無駄にしたくないから都が起きたら起きてるだけ。」


「…え、そうだったの。私と話す為?」



うんうんと笑顔で嬉しそうに頷く弥生くん。

…心がまたポワっと暖かくなった。


弥生くんはいつも私の気持ちが解れるようなことを言ってくれるから不思議。



「嬉しい、ありがとう。」


「ん、こちらこそ。今日はどこか行こっか。」


「え、お出かけ…??」


「そう、お出かけ。行きたい?」



お出かけ…って、かなり真剣に初めてかもしれない。

ちーちゃんと放課後にクレープを食べたことはあるけど、本当にそれくらい。



「うん、行きたい…!」


「(珍しく目が輝いてる、可愛い。)」

「じゃ、行くか。服…はどうしようか。」



あ…。


服は、制服と弥生くんが貸してくれてる大きめの今着てるシャツしかない。