若頭は拾い猫を甘やかしたい。

外は雷がなるほどの大雨だ。


あー早く、早く都に会いたい。

車の中で都が怖がらないように汚い血が着いた服は脱いで、予備として置いておいた綺麗な服に着替える。



…体に着いた血の匂いも分からないようにしないとな。


最近買った甘すぎない香水をふって匂いを消す。



「前までは予備の服も香水も仕事の後には何も使ってませんでしたよね?」



運転手の佐々木がどうしてですか?と聞いてきた。



「猫に怖がられたくねーから。」


「…猫………ですか。あれ、飼ってましたっけ。」


「そーだよ。最近飼い始めた可愛い猫。」




そんな俺の言葉にへぇ、若にもそういう思いやりとかあったんですね。と地味に失礼なことを言ってくる佐々木。



…まぁでも自分でもビックリだな。

きっと都以外の女だったらこんな面倒臭いことしてない。


都だけには嫌われたくねーし、怖がられたくねーし。




「おい佐々木、もっとスピード上げろ。」


「え?分かりました。」




俺はいち早く都に会いたいんだよ。