若頭は拾い猫を甘やかしたい。

「……あー…もう死にそう。」

「え、弥生くん体調悪いの?」

「ん、違う。こっちの話だから大丈夫。」



と、弥生くんは頭を抱えて顔を隠す。



「(好きのニュアンス絶対違うけど可愛すぎだろ。)」



「…そうだ都、気をつけてねその王子って奴には。他の男にもだけど。」



王子…はもう絶対に近づきたくない。

また昨日みたいに触られたくないから。




「うん、絶対に近づかない。」


「ん。もしまた何かされたら次こそ殺s…、許さないからソイツ。」




今一瞬なに言いかけたんだろう。


でも神様に誓ってもいい。あの王子には絶対に近づかないと。



「…弥生くん、いっぱい心配してくれてありがとう。」




人にこんなに大切にされることが無かったから、弥生くんの心配が私にとっては凄く幸せに感じるんだ。



「こんな可愛い生き物を心配しない方が有り得ないから。」



真顔でそう言う弥生くんを見て思わずふっと笑顔が溢れた。


どうして私のことをこんなに大切にしてくれるのかは分からないけど、


本当に心の奥がぽかぽかと温められるような気分だ。





「(死ぬ、都の笑顔可愛すぎて死ぬ。)」




と弥生くんが初めて自分に笑いかけてくれたからと心の中で悶えてたのには私は全く気づかなかった。