若頭は拾い猫を甘やかしたい。

「で、都は今何してたの？」


「…？何もしてないよ。もう少し寝ようとしただけ。」


「それで俺に寄りかかってたんだ、ほんとに可愛いことするね。」



私の頬をむぎゅっと片手で掴んでそんなことを言ってくる。

弥生くんの可愛いの基準が分からないかも。


私を見つめる目も本当に優しくて昨日の不機嫌さは全く感じられない。


…良かった。




「都、昨日はごめんね。」



すると急に申し訳なさそうな顔をする弥生くん。



「え、何が？？」


「都のこと怖がらせた。」



そう言われて昨日のことを思い返すけど…



「全然怖くなかったから大丈夫。」



確かに不機嫌だとは思ったけど、それだけで昨日の弥生くんを怖いと思ったことは無い。



「でも、都は嫌だったでしょ。俺に変なことされて。」


「ううん、嫌じゃなかったよ。弥生くんに触れられるの好き。」



ちーちゃんにぎゅってしてもらえて幸せになるのと似てる感じかもしれない。