若頭は拾い猫を甘やかしたい。

_____________________んん…

あたた…かい。
フワフワしてて、凄く暖かいなぁ。


私遂に死んじゃったのかな、それならここは天国だったり?

地獄だったらこんな暖かさは感じれないだろうから。


目をつぶったまま、手探りにこのフワフワを楽しんでいると、


「……何してんの?」


私のすぐ横から、どことなく聞き覚えのある声がした。

低めで威圧感や存在感のある声。



…これってもしかして、



「魔王様…?」



もしこれが魔王様だったらまだここは天国じゃない。

そう思ってパッと目を開けると、そこには


「誰が魔王様だ。」

「…?」



真っ黒な髪の毛に、魔王様にしては顔の怖さを全く感じられないほど、

綺麗に整った男の人が居る。



「お前、覚えてないの、昨日のこと。」


「昨日…。」



まだ起きたばかりの頭をフル回転して昨日のことを一生懸命に思い出す。


……………



「あ、黒づくめのお兄さん。」