若頭は拾い猫を甘やかしたい。

「…一旦、こっちおいでよ。」



私の誰、という質問には答えずに片手を私の前に差し出して、おいでと言ってくる男の人。


ずっと雨に濡らされていたからだろうか、寒いのに体は熱くてクラクラする。


知らない男の人にはついて行っちゃダメなのに。

これも全部弱っている体のせいか助けを求めてしまいたくなる。


ほぼ脳が働いていない状態で私の手を男の人の手の上に置こうとした時、

プツン______________



私の意識は、そこで途絶えた。




「あー…、おーい?おーい。」



頭の中で誰かが呼びかける声が聞こえたけど、もう私には反応できるほどの力は残っていなかった。



「若、今度は何拾ったんですか。」


「あ?見れば分かんだろ、捨て猫。」














「……女子高生ですね。」


「ちっ。」