若頭は拾い猫を甘やかしたい。

あんなに優しい人には、きっともう素敵な人が居るはずだし。


「ちっ、くそ鈍感女かよ。めんどくせー。あんたに1つ言っといてやるけどな、」



「若は親切とかそんなもんじゃねーんだよ。」



…え?弥生くんが親切じゃない?


何を言っているのこの人。本当に弥生くんの部下なの。

私が困惑しているのが分かったのか柳城さんは言葉を続ける。


「あのなぁ、若はうちの組の歴代最強って言われてんの。しかも味方の奴でも怯える程の冷酷さなんだよ。」



とにかくあの人は恐ろしい人なんだよ、と言う柳城さん。



味方の人でも怯えるくらいの冷酷さ…?弥生くんが?




「信じられない。」


「だからだよ、だから何であんたみたいな女に若がゾッコンなのか意味不明なんだよ。」




それは…、



「私にも分からない。」



だって、出会った時から弥生くんは親切だったから。
正直、柳城さんの話なんて全然信じられないし。



「ちっ、ムカつく。とにかく俺は絶対にお前みたいな女認めないから。」



そう言って柳城さんはミラー越しに私を睨みつけてきた。



別に、認めてもらわなくても良いんだけど…。











「(…くそ。顔だけは可愛いな、こいつ。)」


柳城さんが心の中でこんなことを思っていたのは知る由もない。