若頭は拾い猫を甘やかしたい。

それからしっかりフーフーしながらお粥を食べ終えた。


私がお粥を食べている間もお兄さんは静かに見守ってくれていた。



「ご馳走様でした。」


「ちゃんと全部食べれて偉いな。」


「うん、」


私が普段ご飯を食べれない性質だと気づいたのか、それとも普通にお兄さんの優しさでかは分からないけど、

食べ終わっただけで褒めてくれるんだ…。



「あ、そーだ。都。」


「どうしたの?」


「ちゃんと名前で呼んで。お兄さんじゃなくて。」



あ、そういえばそんなことを言われてたような。

えっと、名前は確か………うーん、



あ!



「弥生くん?」


私がそう呼ぶとお兄さ、じゃなくて弥生くんは一瞬固まって、頭を抱え始めた。



「こんな可愛すぎる生き物がこの世に居ていいのかよ。」



そして何やらボソボソと言い出している。

弥生くんは独り言を言うのが癖なのかな…?


「都、もっかい呼んで。」


「??うん…、弥生くん?」


「もっかい。」


「弥生くん」


「(グサッ)」


どうしてこんなに何回も呼んで欲しいんだろう。

もしかして弥生くんも自分の名前が大好きだったりするのかな。それなら何回も呼んで欲しくなる気持ちも分かるかも。