若頭は拾い猫を甘やかしたい。

そもそも私は食べられるようなものじゃないし…。


「ん、ちゃんと教えとかないとな。」

「…お兄さん?」



するとお兄さんの顔が私の方に近づいてきて、


「都、食われるってこういうこと。」


「んんっ…」


私の唇に何か柔らかいものが当たって塞がれた。

それはお兄さんの唇で、どんどん角度を変えて私の唇を啄む。


「んぁ、っはぁ、はぁ、」

「都、口開けて。」

「ふぇ、くち…?」


真っ白な頭の中、今はもうお兄さんの声しか聞こえなくて言われるがままに口を開ける。



「(素直に開けすぎ、はー死ぬ可愛い。)」


「っ…!?!んむ…!」



すると口の中に舌が入ってきて私の舌と絡み合わされる。

あつい、何これ、こんなの知らない。息の仕方が急に分からなくなって頭がくらくらする。



「ふぁ…っ、おにさん、しんじゃう」


「あ、ごめん都。やりすぎた。」



お兄さんはパッと私から離れる。

だけどすぐに私を自分の方に抱き寄せて、



「分かった?男に食われるってこういうこと。だから言うこと聞くのは俺だけにしないとダメだよ。」



と、耳元でそう言ってきた。