若頭は拾い猫を甘やかしたい。

「あいつ、まじで殺す。」


今また何かボソッと聞こえたような…。


「都、ちょっと舌出せる?」


「?うん、出せるよ。」



お兄さんにそう言われて、舌を出してみると、お兄さんはお医者さんみたいに確認し始めた。


「んー、ちょっと赤いけど大丈夫だな。(やば、ベロちっちゃ。可愛い。)」


「うん、良かった。」


「……都。一つだけ俺から忠告していい?」


「なに??」



何やら真剣な顔をしているお兄さん。
一体なんだろう。



「俺以外の男に何言われても絶対無視するんだよ。」


「お兄さん以外の男の人…?」


「そ。今みたいにベロ出してって言われても言う通りにしちゃダメ。」



へ、どうして…?

孤児院の先生たちには人の言うことは絶対に聞きなさいって教えられてきたけど。

私が首を傾げるとお兄さんは少し困った顔になった。



「都の可愛い舌を他の男に見せたら食われちゃうから。」


「食われる…??」


さっきから点でお兄さんの言っていることがイマイチ分からない。