若頭は拾い猫を甘やかしたい。

「こ…、みやこー、」

「んー。まだ…。」


「だめ、ご飯出来てるから起きて。」



耳元で心地いい声が聞こえてくる。
これは、お兄さんの声だ。

…そっか、私泣き疲れてあのまま寝ちゃったんだった。


「都、聞いてんの??」


「うん、起きた。」


お兄さんにほっぺをむにーっと掴まれて目を擦りながら返事をする。



「ご飯食べれる?」


「…食べたい。」



いつもだったらお腹が空かないのに、今日は珍しくお腹が空いている…気がする。


どんなご飯だろう、やっぱりちょっとまだ熱っぽいし…。


「お粥にしてもらったけど食えるか?」



お粥……


「うん、すっごく大好き。」


「ふっ、分かった。すぐ持ってくるから。」



お粥は柔らかくて食べやすくて好きなんだよね。

私の唯一の親友が1度だけ私が熱出た時に家に泊めて作ってくれたことがあるから。


お兄さんが部屋を出て行って私は1人になった。

…今気づいたけどこのお部屋凄く広くて綺麗。


お兄さんって何者なんだろう。
なんだか普通の人では絶対にない気がする。



「あれ、」


しかも私の服も変わってる。

確か元々制服を着てたはずなのに…。