若頭は拾い猫を甘やかしたい。

弥生 side


泣き疲れて俺の腕の中ですやすやと気持ちよさそうに寝ている都。


今までずっと1人で我慢してきたんだろうな。


…てか、猫みたいな上に猫の鳴き声みたいな名前だと知った時には本当にびっくりした。


みやこ、みやこ。


何回も呼びたくなる。


本当はお前のことはもう結構前から知ってた。
多分、都があの公園に居るようになってから。



不甲斐ないと思われるかもしれないが、いつも儚げに空を見つめる都に俺はもうその時から惚れてたのかもしれない。



大雨の昨日、俺はお前がまさか居るんじゃないかと思ってあの公園に行った。



そしたら案の定、都は雨凌ぎにもならないボロいドラム缶の中に居た。

あんな雨の中外にいる奴なんて都くらいだろうな。




でも、正直ラッキーだと思ってしまった。



もうお前を拾うチャンスだと思った。