若頭は拾い猫を甘やかしたい。

「はいはい、こっちおいで。」


私の手をグッと引っ張って、お兄さんの腕にスポっと収まった。

これが、人の暖かさ…。



「う、うぅっ、ひっく、辛かっ…た。ずっと。」


「ん、頑張ったな。」



まだお兄さんとは出会ったばかりだけど、私はきっとお兄さん以上に暖かい人にはこれから出会わないだろう。


私をぎゅっと抱きしめながらヨシヨシと頭を撫でてくれる手つきがあまりにも優しくて、


涙が次々に溢れ出る。



「っく、おにぃさん、…ありがとう…っ」



そしてそれから泣き疲れた私は次第にお兄さんの中で意識が遠のいていくのが分かった。


お兄さんはずっと撫でてくれてた。



そして、





「都、いっぱい甘やかされていいんだよ。」




そんな言葉と共に私は夢の中へといってしまった。