妃候補なんて興味ありません!

「あれが異能使いの姫様?」
「今日彼女の処遇も決まるかもしれないんですって」
他の姫組たちの侍女が話しているのが聞こえてくる。

姫組たちが噂をするならともかく、侍女が他の姫君の噂話をするなんてはしたないことこの上ない。

リュナがしかめっ面をして侍女たちを見つめている。
「侍女に悪口を言わせるなんて、姫としての品格がないのかしら?」

ひときわ大きな声が聞こえてきて視線を向けると、そこにはグリーンのドレスを来たリディアが立っていた。

リディアの言葉にさっきの侍女たちがいそいそと退散していく。
「リディア!」
「シーラ、今日はとてもキレイね」

ふたりは昔からの友人のように呼び合って近づいていく。
シーラの表情はさっきまでと打って変わって明るかった。
「リディアこそ、ドレスとても似合っているわ」