他の姫君たちに聞こえないよう小声だけれど、しっかり怒鳴り口調で言う。
この世には沢山の国があり、沢山の種族たちが行きている。
とはいえ異能を持つ人間は年々数を減らしていて、今では希少なものになっていた。
異能を持つ姫君の話など、昔話でもきいたことがなかった。
「わかってるわよ」
シーラはそう返事をしながらも龍を見て微笑ましそうな表情を浮かべている。
自分の中に異能があると気がついたのは3歳の頃だった。
勉強嫌いのシーラが無理やり文字を教えられそうになった最初の日、嫌だという気持ちが最大限に膨らんだ瞬間に龍が突如姿を見せたのだ。
それは3歳のシーラよりも大きく、城の学問部屋を埋めつくすほどの大きさがあった。
まわりにいた大人たちは全員逃げ出したけれど、国王様だけは違った。
『シーラ。お前のおじいさまも異能持ちだったんだぞ。おじいさんは火を自在に操ることができた。お前はその力を受け継いだんだなぁ』
と、とても嬉しげに言ってシーラを抱き上げたのだ。
異能を発動したシーラは叱責されることなく、まだ3歳のシーラに勉強を強要しようとした大人たちのほうが怒られる始末だった。
この世には沢山の国があり、沢山の種族たちが行きている。
とはいえ異能を持つ人間は年々数を減らしていて、今では希少なものになっていた。
異能を持つ姫君の話など、昔話でもきいたことがなかった。
「わかってるわよ」
シーラはそう返事をしながらも龍を見て微笑ましそうな表情を浮かべている。
自分の中に異能があると気がついたのは3歳の頃だった。
勉強嫌いのシーラが無理やり文字を教えられそうになった最初の日、嫌だという気持ちが最大限に膨らんだ瞬間に龍が突如姿を見せたのだ。
それは3歳のシーラよりも大きく、城の学問部屋を埋めつくすほどの大きさがあった。
まわりにいた大人たちは全員逃げ出したけれど、国王様だけは違った。
『シーラ。お前のおじいさまも異能持ちだったんだぞ。おじいさんは火を自在に操ることができた。お前はその力を受け継いだんだなぁ』
と、とても嬉しげに言ってシーラを抱き上げたのだ。
異能を発動したシーラは叱責されることなく、まだ3歳のシーラに勉強を強要しようとした大人たちのほうが怒られる始末だった。



