復讐殺人日記

真っ青になって硬直してしまっている。
その視線は机とは逆方向へと向けられていた。

まさか。
そう思いながらふたりが見ている方へ顔を向ける。

ベッドの上が少しだけくぼんでいるのがわかった。
膝立ちになりその上のものを確認した瞬間呼吸が止まった。

日記帳だ!!
「くそっ」

貴斗が乱暴に日記帳を掴み上げると、大股で窓へと近づいた。
窓を開けるとそれを思いっきり投げ捨てる。

外の庭にバサッと落ちる音が聞こえてきた。
が、次にベッドに視線を向けるとそこにまた日記帳が置かれている。

「イヤアアア!」
瑞穂が泣きながら悲鳴をあげて部屋から飛び出していく。

「待って瑞穂!!」
慌てて後を追いかけ、転げるように階段を降りる。

瑞穂は靴も履かずに外へと飛び出して行ってしまった。
私が玄関のサンダルをひっかけて外へ出たときだった。
瑞穂が左右の確認をせずに道路に飛び出したのを見た。