復讐殺人日記

瑞穂が混乱した様子であたりを見回す。
「違うよ瑞穂。音は日記から聞こえてきてるんだよ」

ゴクリと唾を飲み込んで日記帳へ手をのばす。

今度は誰の名前が書かれているのか……ドクドクと心臓が早鐘を打ち、嫌な汗が背中を流れていく。

私の指先が日記帳にふれたとき、それは風もないのにパラパラとめくれていき、そして止まった。

カリカリカリカリ。
カリカリカリカリ。

今まさに新しい日記が書き込まれている。
一文字一文字、角張った保人の文字が増えていく。

「冗談だろ……」
貴斗が目を見開いて絶句した。

瑞穂も日記帳から目を離せずにいる。