そしてこちらへ視線を向けて頷く。
中にいるのは保人で間違いないようだ。
私は掃除道具入れに向かい、モップを取り出した。
それを瑞穂に差し出す。
瑞穂は面白いオモチャを渡された子供みたいに笑ってモップを受け取ると、保人が入っている個室のドアをそれで固定した。
そのときモップの柄がドアに当たってコツンッと小さく音を立てた。
『誰?』
ようやく異変に気がついた保人が声を上げる。
でももう遅い。
保人が個室から出ようとするが、モップが邪魔をして指一本分ほどの隙間しか開かない。
『おい、開けろよ!』
保人がドンドンとドアをノックしている間、私はバケツに水をためてそれを便座の上に立つ貴斗に渡していた。
『こっちだ、バーカ』
上から貴斗が覗いているとは気がついていなかったのだろう、保人にそう声をかけた貴斗は容赦なくバケツの水を逆さまにした。
個室の中から悲鳴が聞こえてくる。
私たちは大きな声で笑いながら男子トイレを後にしたのだった。
中にいるのは保人で間違いないようだ。
私は掃除道具入れに向かい、モップを取り出した。
それを瑞穂に差し出す。
瑞穂は面白いオモチャを渡された子供みたいに笑ってモップを受け取ると、保人が入っている個室のドアをそれで固定した。
そのときモップの柄がドアに当たってコツンッと小さく音を立てた。
『誰?』
ようやく異変に気がついた保人が声を上げる。
でももう遅い。
保人が個室から出ようとするが、モップが邪魔をして指一本分ほどの隙間しか開かない。
『おい、開けろよ!』
保人がドンドンとドアをノックしている間、私はバケツに水をためてそれを便座の上に立つ貴斗に渡していた。
『こっちだ、バーカ』
上から貴斗が覗いているとは気がついていなかったのだろう、保人にそう声をかけた貴斗は容赦なくバケツの水を逆さまにした。
個室の中から悲鳴が聞こえてくる。
私たちは大きな声で笑いながら男子トイレを後にしたのだった。



