復讐殺人日記

『どうも最近は事業がうまく行っていないみたいだな。最近じゃパッとした噂は聞かないって、俺のオヤジが言ってた』

『貴斗の親は保人の親となかよしなの?』
『あぁ。もともと知り合いだったみてぇだな』

どうりで、保人の家の状況に詳しいわけだと納得した。
多額の寄付により学校に守られていると知り、余計に腹がたった。

あんなやつを野放しにしておいてはいけない。
そんな正義感にも似た気持ちが沸き上がってくる。

私は勢いよく立ち上がり、廊下に出た。
私のあとを他の3人もついてくる。

『愛花ちゃん、どこに行くの?』
『男子トイレ。さっき保人が入っていくのを見たから』

日奈子の質問に短く答えて躊躇なく男子トイレのドアを開いた。
幸い誰もいない。

中に入ると個室がひとつだけ閉まっているのがわかった。
『貴斗、中を覗いて保人がどうか確認してくれない?』

耳打ちをして言うと貴斗はすぐに隣の個室にはいって中を覗いた。