私たち以外の利用者はいないだけで、前みたいに影が見えたりもしない。
「考えすぎだったのかもね」
瑞穂の言葉に少し安心した、そのときだった。
まるでタイミングを見計らったように日奈子が内側から個室のドアをノックした。
「どうしたの日奈子?」
トイレットペーパーがなかったんだろうかと思いつつ、声をかける。
すると中から「ドアが開かないの!」と、緊張した声が聞こえてきた。
「え? ちゃんと鍵開けてる?」
「開けてる! でもびくともしない!」
試しに瑞穂と二人でトイレのドアを引っ張ってみたけれど、外からは開けることができなかった。
「ドアになにか引っかかてってるとかじゃなくて?」
「なにも引っかかってなんかないよ! ねぇ、早く助けて!」
個室に閉じ込められている日奈子の声が徐々に緊張感を増していく。
「ちょっと待ってて」
私はそう言うと隣の個室に入り、便座の上に立った。
個室の上はすべて開いているから、ここから助けることができるはずだった。
でも……。
「考えすぎだったのかもね」
瑞穂の言葉に少し安心した、そのときだった。
まるでタイミングを見計らったように日奈子が内側から個室のドアをノックした。
「どうしたの日奈子?」
トイレットペーパーがなかったんだろうかと思いつつ、声をかける。
すると中から「ドアが開かないの!」と、緊張した声が聞こえてきた。
「え? ちゃんと鍵開けてる?」
「開けてる! でもびくともしない!」
試しに瑞穂と二人でトイレのドアを引っ張ってみたけれど、外からは開けることができなかった。
「ドアになにか引っかかてってるとかじゃなくて?」
「なにも引っかかってなんかないよ! ねぇ、早く助けて!」
個室に閉じ込められている日奈子の声が徐々に緊張感を増していく。
「ちょっと待ってて」
私はそう言うと隣の個室に入り、便座の上に立った。
個室の上はすべて開いているから、ここから助けることができるはずだった。
でも……。



