復讐殺人日記

日奈子が思い出したようにスカートのポケットからズマホを取り出してみんなに見えるように動画を再生させた。

画面上では顔を真赤にして泣きながら走る保人の姿が映っている。
可愛そうだから私達４人以外の観客はいれなかったのだから、感謝してほしいくらいだ。

「あはは！　さすが日奈子、気が利くよね」
瑞穂がお腹を抱えて笑っている。

「日奈子のそういうところが好きだよ」
私が言うと日奈子が頬を上気させて微笑んだ。

学年トップの人気者に褒められてよほど嬉しいみたいだ。
保人の動画を見ながら食堂へ到着すると、私達は購買でパンと飲み物を購入して中庭へと出た。

今日はとてもいい天気で午後からの授業は眠くなりそうだ。
「愛花、ベンチ空いてなさそうだよ」
日奈子が残念そうな声で呟く。

こういう日にはみんな考えることが同じのようで、中庭に設置されている木製のベンチはどこも満員みたいだ。