復讐殺人日記

その日の授業中にも、休憩時間中にも影は私たちの目の端に現れた。

昨日学校内で影が見えていたのは私だけだったけれど、今日は日奈子も瑞穂も貴斗もそれが見えるようになっていた。

試しに他のクラスメートたちに影が見えるかどうか聞いてみたけれど、みんなキョトンとした表情を浮かべていた。

やっぱり、あれが見えるのは私たち4人だけみたいだ。

なんだか徐々に自分たちに近づいてきているようにも見えて日奈子は今日1日ずっと青ざめて過ごしていた。

「それじゃ、燃やすよ?」
4人でいつもの公園にやってきて日記帳を手洗い場の横に置いた。

一応、火をすぐ消せるようにだ。
火をつける道具は貴斗がいつもライターを持っているので、それで十分だった。

そのライターを日頃何に使っているのかは、ここでは質問しないことにした。
貴斗から借りたライターを日記帳に近づけて火を付ける。

火はすぐに日記帳に燃え移り、あっという間に灰になっていく。
ただの紙のはずだけれど、それは全身をくねらせて苦しんでいるように見えた。

「はい、これで終わり!」
すべて灰になるのを見届けてから瑞穂が言った。
その顔は少しスッキリして見える。