復讐殺人日記

私は自分の呼吸が止まっていることに気がついて大きく空気を吸い込んだ。
保人が犬や猫のタゲーットを『獲物』と呼ぶようになっていたこと。

そして人間の子供にまでそれが及んでいたことに言葉を失う。
顔を上げると他の3人も蒼白になっていた。

「さ、さすがにこれは嘘だろ」
沈黙を破ったのは貴斗だ。

引きつった笑みを浮かべて日記帳を指差している。
「そ、そうだよね。これはあいつの妄想。ついに頭がおかしくなってたんだ」

はははっと瑞穂も声を出して笑った。
「でも本当のことだったらどうするの?」

そう言ったのは日奈子だった。
日奈子の目には涙がたまっていて、今すぐここから逃げ出したいという雰囲気が伝わってきた。