復讐殺人日記

その内容にみんなが息を飲んだのがわかった。
他にも野良犬、野良猫を殺したことが鮮明に書かれている。

「最近の動物殺しが保人の仕業だったなんて」
日奈子がショックを受けた様子で呟く。

たしかに保人が犯人だったのは意外だった。
あのノロマが動物を殺せるなんて考えたこともなかった。

「それじゃ私たちいいことをしたのかもね」
パンッとノートを閉じてわざと大きな声で言った。

「いいこと?」
瑞穂がけげんそうな顔を向けてくる。

「そうだよ。だって犯人を追い詰めてあげたんだから、もう動物が殺されることもないし、それで不安になることもないんだから」

「それもそうだよな。俺たちいいことしたんだ」
貴斗がすぐに乗っかって大きな笑い声をあげる。

そうすることでなにかを吹っ切ろうとしているように。