復讐殺人日記

教室でひときわ背が小さくて小動物みたいな日奈子とは、2年生に上がってから仲良くなった。
それ以来、私の後や日奈子の後をついてまわるようになった。

「うん、遊びたい!」
アニメ声優みたいな可愛い声で返事をして、ひょっこりと顔を覗かせる。
保人はそれでも顔をあげなかった。

保人みたいな地味で目立たないタイプは日奈子みたいな女の子がタイプだと思っていたけれど、違うのかもしれない。

もしくは、私の前だからバレないように必死に隠しているのかも。
そう考えるとおかしくてつい広角が上がっていく。

「今日は早く帰らないといけないから」
もう一度保人が言う。

だけどそんなの聞くつもりはなかった。
私が遊びたいと言えば、それは実行されるべきだ。

保人なんかが反論していい場面じゃない。
「おいおい嘘だろ? まさかお前が愛花からの誘いを断るつもりかぁ?」
少し大げさにリアクションしながら近づいてきたのはクラスメートの和木貴斗だった。

貴斗はクラスでいちばん体格がよく、ツンツンに立てた髪の毛がちょっと鬼を連想させて他の生徒たちから怖がられているところがある。