復讐殺人日記

みんなもう焼香は済ませてある。
「ちょっと保人の部屋を覗いてみないか?」

そういい出したのは貴斗だった。
私は驚いて目を見開く。

「なに言ってんの?」
人が少ないと言っても葬儀は葬儀だ。

何十人もいる中でそんなことをしていたら、すぐバレるに決まっている。
「万が一、保人がイジメの証拠を残してたらどうする?」

「なにそれ、どういう意味?」
「俺たちがしたことや俺たちの名前を残してないとは限らねぇだろ」

そう言われて急に背筋が寒くなった。

自殺する気がなくても、嫌なことをされたときにそれを残しておくタイプだったかもしれないというのだ。

その可能性については全然考えていなかった。
「探すとしたら今日しかない」