復讐殺人日記

最悪だった。
まさか保人もバカが本当に屋上から落ちるなんて思っていなかった。

「大丈夫か?」
C組の教室でギリギリと歯噛みしていると貴斗が心配して声をかけてきてくれた。

「大丈夫だよ。私たちはなにもしてないんだから」
ムスッとしてそう答えると、貴斗は苦笑いを浮かべた。

「そうだよな。学校内では保人が自殺したって噂になってるしな」
声を小さくして言う貴斗に私も頷いた。

保人が盗撮していたことはほとんどの生徒が知っていて、そして孤立していた。

保人はまさしく自業自得で死んだのだ。

「鍵は?」
「指紋を拭き取ってから屋上に捨ててきた。でもみんな保人が勝手に持ち出したと思ってるよ」

それでうまく片付けられればいいけれど、本当に警察の捜査が始まったりしたら指紋が拭き取られていることに疑問を抱くに決まっている。

鍵は頼めば生徒でも持ち出すことができるのだから、余計なことをする必要はなかったのに。