復讐殺人日記

その目にドキリと心臓が高鳴った。
「俺、愛花のことが本当に好きだった」
過去形で言われて胸が痛む。

今更告白なんてしたって遅いと思っているんだろう。
「うん……知ってた」

それでも互いに何言わなかったのは、保人イジメによって繋がれた関係だったからだ。

ごく普通に学校内で友達になって、それから好きになったならもっと早くに告白していたかもしれない。

後ろめたい関係が、私たちの気持ちにセーブをかけていた。
「だよな。きっとみんなも気がついてたな」

「うん。私も貴斗のこと好きだよ」
今でも。
明日死ぬとしてもだ。

すると貴斗は嬉しそうに笑った。
本当に心の底から嬉しそうに。

「よかった。俺の勘違いじゃなかったんだな」
笑いながら鼻をすする貴斗の目には微かに涙が滲んでいる。

ようやく告白できたことでの嬉し涙なのか、それとも違う意味を持った涙なのか。

聞こうと思ったけれどやめておいた。