復讐殺人日記

あっという間に大通りまで出てきてしまった。
「どうして? まだ1日早いのに!」

しかし貴斗はそのまま歩道橋へと向かい、階段を上がり始めたのだ。
その行動に眉をひそめる。

歩道橋を使ったら大通りチャレンジにはならないのに。
「ごめん愛花」

歩道橋を上がりきって真ん中まで歩いた時、貴斗が振り向いてそう言った。
「え?」

「俺、あいつの呪いで死ぬのなんて絶対嫌なんだ。だから、今ここで」
貴斗が歩道橋の下へと視線を移す。

この時間だとトラックの往来が多く、ここから飛び降りてはねられたらひとたまりもないことがわかる。

「貴斗、なに考えてるの?」
「これで俺は終わりだけど、愛花は生きてくれ」
そう言い残して貴斗が歩道橋に身を乗り出した。