こんな狭い空間でひとり逃げるなんて不利な状況でも、保人に否定することはできなかった。
『僕が捕まって鬼になったら、どうするつもり?』
『大丈夫、あんたは捕まっても鬼にはならないから』
『どういうこと?』
保人の視線が泳ぐ。
『その代わり、一分間首を閉められる』
私がそう言った瞬間貴斗が保人の首に両手をかけた。
保人は反射的に暴れてその場に崩れ落ちてしまった。
『心配しないで? 一分間くらいじゃ死なないし、手加減もするから。それに、捕まらなかったらいいんだし?』
『む、無理だよ。そんなことできない』
保人がブルブルと首を振る。
『できないじゃない。もう決定してんの』
瑞穂が笑う。
日奈子も私も貴斗も笑う。
この鬼ごっこは私たちが飽きるまで続いた。
保人は何度も捕まって何度も首を閉められて、そのたびに涙を浮かべて苦しがった。
咳き込んで止まらなくなっても鬼ごっこは終わらなかった。
野良犬や野良猫が殺される事件が話題に上がり始めたのも、同じくらいの時期だった。
『僕が捕まって鬼になったら、どうするつもり?』
『大丈夫、あんたは捕まっても鬼にはならないから』
『どういうこと?』
保人の視線が泳ぐ。
『その代わり、一分間首を閉められる』
私がそう言った瞬間貴斗が保人の首に両手をかけた。
保人は反射的に暴れてその場に崩れ落ちてしまった。
『心配しないで? 一分間くらいじゃ死なないし、手加減もするから。それに、捕まらなかったらいいんだし?』
『む、無理だよ。そんなことできない』
保人がブルブルと首を振る。
『できないじゃない。もう決定してんの』
瑞穂が笑う。
日奈子も私も貴斗も笑う。
この鬼ごっこは私たちが飽きるまで続いた。
保人は何度も捕まって何度も首を閉められて、そのたびに涙を浮かべて苦しがった。
咳き込んで止まらなくなっても鬼ごっこは終わらなかった。
野良犬や野良猫が殺される事件が話題に上がり始めたのも、同じくらいの時期だった。



