復讐殺人日記

あれはいつのことだったろう。
保人イジメがすっかり定着したときだったことは覚えている。

その日私たち4人は保人を倉庫に呼び出したのだ。
倉庫の中はガランとしていて、体育や部活で使う道具はすべて運び出されていた。

この倉庫が古くなったため新しい倉庫を作ってそこに中身は移動させられたところだったのだ。

いずれこの倉庫は解体されてなくなってしまう。
その前にちょっとした思い出つくりをすることになったのだ。

『な、なに?』
保人は今日ものこのことやってきた。
そして狭い倉庫の手前に立ち、怯えた様子を見せる。

『まぁ、こっちに来いよ』
貴斗が保人の肩に手を回して無理やり倉庫の中に連れ込んだ。
そして瑞穂が扉を閉めて鍵をかけた。

『今日はここで鬼ごっこをしようと思うんだよね』
『鬼ごっこ?』

保人が顔を歪めて私を見た。
それがただの鬼ごっこじゃないことは、すでにわかっているからだ。
『鬼は私たち4人。逃げるのはあんたひとり』

私は怯えている保人を指差してそう言った。