復讐殺人日記

「やっと帰れるな」
勝手口までやってきて貴斗が安堵のため息を吐き出した。

が、まだなにも終わっていなかったのだ。
貴斗がドアを開けようとするがそれはびくともしなくなっていたのだ。

私が入ってきた小窓も、鍵は開いているのに開かない。
そして急速に家の中全体が冷えていく。

「嘘でしょ……」
ガタガタと震えながらふり向くとそこに保人が立っていた。

死んだときのままの保人がニヤリと笑う。
「大通りチャレンジの前に鬼ごっこをしよう」

保人のひび割れた声が、そう告げた。