「ほとんど置いて行ったんだな」
保人の部屋は前回侵入したときとあまり変化がないようだった。
パソコンなどの価値のあるものは持ち出されているけれど、机や本棚はそのままだ。
「さっきの女の人は保人のことを思い出すのが辛くて引っ越したんじゃないかって行ってたけど、それにしては早すぎない?」
保人が死んでからまだ49日も終わっていない。
ここでやすべきことは沢山残っていたように感じられる。
それに、そんなに早く前を向く必要があったんだろうか?
「確かに、おかしいな――」
なにかが変だ。
そう気がついたときにはもう遅かった。
学校で感じていた妙な視線が突き刺さってくる。
それは貴斗も感じているようで、途中で言葉を聞いて黙り込んでしまった。
ふたりしてその場で硬直してしまう。
視線は後方、ドアがある方からしてきているようだ。
振り向きたいけれど、視線にがんじがらめになって動けない。
その視線がジリジリとこちらに近づいてくるのを感じて心臓が早鐘を打ち始める。
スッと冷たい指先が首筋に触れてきた。
「キャア!」
保人の部屋は前回侵入したときとあまり変化がないようだった。
パソコンなどの価値のあるものは持ち出されているけれど、机や本棚はそのままだ。
「さっきの女の人は保人のことを思い出すのが辛くて引っ越したんじゃないかって行ってたけど、それにしては早すぎない?」
保人が死んでからまだ49日も終わっていない。
ここでやすべきことは沢山残っていたように感じられる。
それに、そんなに早く前を向く必要があったんだろうか?
「確かに、おかしいな――」
なにかが変だ。
そう気がついたときにはもう遅かった。
学校で感じていた妙な視線が突き刺さってくる。
それは貴斗も感じているようで、途中で言葉を聞いて黙り込んでしまった。
ふたりしてその場で硬直してしまう。
視線は後方、ドアがある方からしてきているようだ。
振り向きたいけれど、視線にがんじがらめになって動けない。
その視線がジリジリとこちらに近づいてくるのを感じて心臓が早鐘を打ち始める。
スッと冷たい指先が首筋に触れてきた。
「キャア!」



